第二節 民間団体による個人情報の保護の推進
(認定)
第三十七条 個人情報取扱事業者の個人情報の適正な取扱いの確保を目的として次に掲げる業務を行おうとする法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。次条第三号ロにおいて同じ。)は、主務大臣の認定を受けることができる。
一 業務の対象となる個人情報取扱事業者(以下「対象事業者」という。)の個人情報の取扱いに関する第四十二条の規定による苦情の処理
二 個人情報の適正な取扱いの確保に寄与する事項についての対象事業者に対する情報の提供
三 前二号に掲げるもののほか、対象事業者の個人情報の適正な取扱いの確保に関し必要な業務
2 前項の認定を受けようとする者は、政令で定めるところにより、主務大臣に申請しなければならない。
3 主務大臣は、第一項の認定をしたときは、その旨を公示しなければならない。
(欠格条項)
第三十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、前条第一項の認定を受けることができない。
一 この法律の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
二 第四十八条第一項の規定により認定を取り消され、その取消しの日から二年を経過しない者
三 その業務を行う役員(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものの代表者又は管理人を含む。以下この条において同じ。)のうちに、次のいずれかに該当する者があるもの
イ 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
ロ 第四十八条第一項の規定により認定を取り消された法人において、その取消しの日前三十日以内にその役員であった者でその取消しの日から二年を経過しない者
(認定の基準)
第三十九条 主務大臣は、第三十七条第一項の認定の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、その認定をしてはならない。
一 第三十七条第一項各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うに必要な業務の実施の方法が定められているものであること。
二 第三十七条第一項各号に掲げる業務を適正かつ確実に行うに足りる知識及び能力並びに経理的基礎を有するものであること。
三 第三十七条第一項各号に掲げる業務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって同項各号に掲げる業務が不公正になるおそれがないものであること。
(廃止の届出)
第四十条 第三十七条第一項の認定を受けた者(以下「認定個人情報保護団体」という。)は、その認定に係る業務(以下「認定業務」という。)を廃止しようとするときは、政令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を主務大臣に届け出なければならない。
2 主務大臣は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公示しなければならない。
(対象事業者)
第四十一条 認定個人情報保護団体は、当該認定個人情報保護団体の構成員である個人情報取扱事業者又は認定業務の対象となることについて同意を得た個人情報取扱事業者を対象事業者としなければならない。
2 認定個人情報保護団体は、対象事業者の氏名又は名称を公表しなければならない。
(苦情の処理)
第四十二条 認定個人情報保護団体は、本人等から対象事業者の個人情報の取扱いに関する苦情について解決の申出があったときは、その相談に応じ、申出人に必要な助言をし、その苦情に係る事情を調査するとともに、当該対象事業者に対し、その苦情の内容を通知してその迅速な解決を求めなければならない。
2 認定個人情報保護団体は、前項の申出に係る苦情の解決について必要があると認めるときは、当該対象事業者に対し、文書若しくは口頭による説明を求め、又は資料の提出を求めることができる。
3 対象事業者は、認定個人情報保護団体から前項の規定による求めがあったときは、正当な理由がないのに、これを拒んではならない。
(個人情報保護指針)
第四十三条 認定個人情報保護団体は、対象事業者の個人情報の適正な取扱いの確保のために、利用目的の特定、安全管理のための措置、本人の求めに応じる手続その他の事項に関し、この法律の規定の趣旨に沿った指針(以下「個人情報保護指針」という。)を作成し、公表するよう努めなければならない。
2 認定個人情報保護団体は、前項の規定により個人情報保護指針を公表したときは、対象事業者に対し、当該個人情報保護指針を遵守させるため必要な指導、勧告その他の措置をとるよう努めなければならない。
(目的外利用の禁止)
第四十四条 認定個人情報保護団体は、認定業務の実施に際して知り得た情報を認定業務の用に供する目的以外に利用してはならない。
(名称の使用制限)
第四十五条 認定個人情報保護団体でない者は、認定個人情報保護団体という名称又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない。
(報告の徴収)
第四十六条 主務大臣は、この節の規定の施行に必要な限度において、認定個人情報保護団体に対し、認定業務に関し報告をさせることができる。
(命令)
第四十七条 主務大臣は、この節の規定の施行に必要な限度において、認定個人情報保護団体に対し、認定業務の実施の方法の改善、個人情報保護指針の変更その他の必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。
(認定の取消し)
第四十八条 主務大臣は、認定個人情報保護団体が次の各号のいずれかに該当するときは、その認定を取り消すことができる。
一 第三十八条第一号又は第三号に該当するに至ったとき。
二 第三十九条各号のいずれかに適合しなくなったとき。
三 第四十四条の規定に違反したとき。
四 前条の命令に従わないとき。
五 不正の手段により第三十七条第一項の認定を受けたとき。
2 主務大臣は、前項の規定により認定を取り消したときは、その旨を公示しなければならない。
(主務大臣)
第四十九条 この節の規定における主務大臣は、次のとおりとする。ただし、内閣総理大臣は、この節の規定の円滑な実施のため必要があると認める場合は、第三十七条第一項の認定を受けようとする者のうち特定のものについて、特定の大臣等を主務大臣に指定することができる。
一 設立について許可又は認可を受けている認定個人情報保護団体(第三十七条第一項の認定を受けようとする者を含む。次号において同じ。)については、その設立の許可又は認可をした大臣等
二 前号に掲げるもの以外の認定個人情報保護団体については、当該認定個人情報保護団体の対象事業者が行う事業を所管する大臣等
2 内閣総理大臣は、前項ただし書の規定により主務大臣を指定したときは、その旨を公示しなければならない。