第七章 司法書士会
(設立及び目的等)
第五十二条  司法書士は、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域ごとに、会則を定めて、一箇の司法書士会を設立しなければならない。
2  司法書士会は、会員の品位を保持し、その業務の改善進歩を図るため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とする。
3  司法書士会は、法人とする。
4  一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第四条 及び第七十八条 の規定は、司法書士会について準用する。
(会則)
第五十三条  司法書士会の会則には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一  名称及び事務所の所在地
二  役員に関する規定
三  会議に関する規定
四  会員の品位保持に関する規定
五  会員の執務に関する規定
六  入会及び退会に関する規定(入会金その他の入会についての特別の負担に関するものを含む。)
七  司法書士の研修に関する規定
八  会員の業務に関する紛議の調停に関する規定
九  司法書士会及び会員に関する情報の公開に関する規定
十  資産及び会計に関する規定
十一  会費に関する規定
十二  その他司法書士会の目的を達成するために必要な規定
(会則の認可)
第五十四条  司法書士会の会則を定め、又はこれを変更するには、法務大臣の認可を受けなければならない。ただし、前条第一号及び第七号から第十一号までに掲げる事項に係る会則の変更については、この限りでない。
2  前項の場合において、法務大臣は、日本司法書士会連合会の意見を聞いて、認可し、又は認可しない旨の処分をしなければならない。
(司法書士会の登記)
第五十五条  司法書士会は、政令で定めるところにより、登記をしなければならない。
2  前項の規定により登記をしなければならない事項は、登記の後でなければ、これをもつて第三者に対抗することができない。
(司法書士会の役員)
第五十六条  司法書士会に、会長、副会長及び会則で定めるその他の役員を置く。
2  会長は、司法書士会を代表し、その会務を総理する。
3  副会長は、会長の定めるところにより、会長を補佐し、会長に事故があるときはその職務を代理し、会長が欠員のときはその職務を行なう。
(司法書士の入会及び退会)
第五十七条  第九条第一項の規定による登録の申請又は第十三条第一項の変更の登録の申請をする者は、その申請と同時に、申請を経由すべき司法書士会に入会する手続をとらなければならない。
2  前項の規定により入会の手続をとつた者は、当該登録又は変更の登録の時に、当該司法書士会の会員となる。
3  第十三条第一項の変更の登録の申請をした司法書士は、当該申請に基づく変更の登録の時に、従前所属していた司法書士会を退会する。
(司法書士法人の入会及び退会)
第五十八条  司法書士法人は、その成立の時に、主たる事務所の所在地の司法書士会の会員となる。
2  司法書士法人は、その清算の結了の時又は破産手続開始の決定を受けた時に、所属するすべての司法書士会を退会する。
3  司法書士法人の清算人は、清算が結了したときは、清算結了の登記後速やかに、登記事項証明書を添えて、その旨を、主たる事務所の所在地の司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
4  司法書士法人は、その事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域外に事務所を設け、又は移転したときは、事務所の新所在地においてその旨の登記をした時に、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に設立された司法書士会の会員となる。
5  司法書士法人は、その事務所の移転又は廃止により、当該事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の管轄区域内に事務所を有しないこととなつたときは、旧所在地においてその旨の登記をした時に、当該管轄区域内に設立された司法書士会を退会する。
6  司法書士法人は、第四項の規定により新たに司法書士会の会員となつたときは、会員となつた日から二週間以内に、登記事項証明書及び定款の写しを添えて、その旨を、当該司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
7  司法書士法人は、第五項の規定により司法書士会を退会したときは、退会の日から二週間以内に、その旨を、当該司法書士会及び日本司法書士会連合会に届け出なければならない。
(紛議の調停)
第五十九条  司法書士会は、所属の会員の業務に関する紛議につき、当該会員又は当事者その他関係人の請求により調停をすることができる。
(法務局等の長に対する報告義務)
第六十条  司法書士会は、所属の会員が、この法律又はこの法律に基づく命令に違反すると思料するときは、その旨を、その司法書士会の事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の長に報告しなければならない。
(注意勧告)
第六十一条  司法書士会は、所属の会員がこの法律又はこの法律に基づく命令に違反するおそれがあると認めるときは、会則の定めるところにより、当該会員に対して、注意を促し、又は必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。