第二節 会社の代理商
(通知義務)
第十六条  代理商(会社のためにその平常の事業の部類に属する取引の代理又は媒介をする者で、その会社の使用人でないものをいう。以下この節において同じ。)は、取引の代理又は媒介をしたときは、遅滞なく、会社に対して、その旨の通知を発しなければならない。
(代理商の競業の禁止)
第十七条  代理商は、会社の許可を受けなければ、次に掲げる行為をしてはならない。
一  自己又は第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること。
二  会社の事業と同種の事業を行う他の会社の取締役、執行役又は業務を執行する社員となること。
2  代理商が前項の規定に違反して同項第一号に掲げる行為をしたときは、当該行為によって代理商又は第三者が得た利益の額は、会社に生じた損害の額と推定する。
(通知を受ける権限)
第十八条  物品の販売又はその媒介の委託を受けた代理商は、商法 (明治三十二年法律第四十八号)第五百二十六条第二項 の通知その他の売買に関する通知を受ける権限を有する。
(契約の解除)
第十九条  会社及び代理商は、契約の期間を定めなかったときは、二箇月前までに予告し、その契約を解除することができる。
2  前項の規定にかかわらず、やむを得ない事由があるときは、会社及び代理商は、いつでもその契約を解除することができる。
(代理商の留置権)
第二十条  代理商は、取引の代理又は媒介をしたことによって生じた債権の弁済期が到来しているときは、その弁済を受けるまでは、会社のために当該代理商が占有する物又は有価証券を留置することができる。ただし、当事者が別段の意思表示をしたときは、この限りでない。